インターネット販売から、あえて実店舗をオープン。
近年、店舗での販売からインターネットを通した販売を始めるお店は増えている。しかし、その〝逆〟を行くお店がある。ベトナム、インド、インドネシアなどのアジアン雑貨を取り揃えるPayung(パユン)だ。
パユンは約20年間インターネットでの販売を中心に行ってきたECサイトから、3年前に誕生した店舗である。インターネット販売の知見がありながら、なぜ実店舗なのか。
その理由は、アジアン雑貨には手に取って見てもらわないと伝わらない良さがあるからだという。「同じものを発注しても、微妙に一つひとつサイズや色合いが違うんです」と日笠さんは言う。その大らかさから感じる”心のゆとり”もアジアン雑貨の魅力の一つと言えるだろう。商品を見比べながら好きなものを選んで買う。それは、インターネットではできない、実店舗ならでは利点だ。
異国のモノとは思えない程、日本と調和するという不思議。
アジアン雑貨のもう一つの魅力は、日本の家具や住まいに調和するという点だ。海外のお土産を部屋に飾ると、”悪い意味”で異彩を放つことがある。しかし、Payungに並んだアジアン雑貨は、心地よく私たちの暮らしに溶け込んでくれる。日笠さんは「手仕事のぬくもりが、和室や和食器に馴染んでくれるから」と言う。
パユンではアジアン雑貨の他にも、テーブルコーディネーターでもある日笠さんがセレクトした丹波焼や美濃焼などの和食器も並んでいる。それらと並んでいても、確かに空間には不協和音が聞こえてこないから納得である。
欲しいものは大体インターネットで手に入る時代。しかし、あえて時間をかけてでも訪れたくなるお店である。
Payung店主 日笠 真帆 ひかさ まほ さん
アジア豆知識:マクドナルドでは紙に包まれたお米も売られているらしい。
好きなアジアン料理:パクチーサラダ
好きな言葉:Tidak apa apa(ティダッ アパ アパ)。インドネシア語で「何とかなるさ!」
芦屋のお気に入りスポット:芦屋山手サンモール商店街。新旧のお店が入り乱れているところが好き。